プロジェクトアセットニュース

西条市版SIB報告会として、くらしとごはんリクルさんのオンライン成果報告会を2020年6月11日に開催しました。
本レポートでは、今回初めてオンラインで実施した成果報告会の様子をご紹介いたします。


 

【西条市】ご挨拶と西条市版SIBについて

 

はじめに、西条市よりご挨拶と西条市版SIBについてのご説明をいただきました。

西条市版SIBは地域に挑戦を生む新たな応援の形を体現しています。
実施背景には、以下のことが挙げられます。
・民間消費やエネルギー代金による域外へのお金の流出が1,000億円以上に上ること
・預貸率が年々減少し、地域内で運用するのではなく、国債の購入などによって、都市部へお金が流れていること
これらを踏まえて「市民による市民のための地域の貯金箱を作る。」として、ローカルファンドによる地域の資金循環の仕組みを作ろうとしています。​




これまで地域には、行政が地域の事業に対してお金を出して支援する「補助金」という仕組みがありました。
しかし、従来の補助金制度の問題として、行政と事業者のみの二者関係の中で事業が行われてしまうため、地域の事業を市民に知ってもらうことが難しいことがありました。
そこで西条市では、平成30年度からSIB事業を開始し、地域の人からの共感や応援による投資で事業が実施できるようにしました。




出資者の声として、
「これまでも地域をもっと活性化させ、応援したかったが、どのように行動したらいいのか分からなかった。このSIB事業は、チャレンジする人の背中を押すものであり、地域のお店の取り組みが見えることにより、応援したいという気持ちが更に芽生えた。」がありました。
出資者の声について、特別インタビュー「西条市版SIB 出資者の声」にてご覧いただけます。

このように、出資による応援が実現し、プレーヤーのみでなくサポーターも巻き込んでいくSIB事業の仕組みを活用しています。


今後もSIB事業は、地域内でチャレンジする人の思いをプロジェクト化し発信することで、人と人のつながりや応援を創造します。
そして、「前向きに応援し合う文化」と、「さまざまな形で、一人一人が想いを持てば実現できる社会へ」と導いていきます。


そして、こちらが令和元年のスケジュールになります。​



今後の西条市SIB事業としては、SDGsとの連携を含んでいます。
今までは「特産品」と限定していましたが、今年度からはSDGsの達成に資するチャレンジをする人たちを応援します。
特産品はもちろん、福祉や農業など、どのような分野でも取り組むことが可能です。
7月ごろに最新の情報をお伝えできると思います。
▶2020年度西条市版SIB公募ページ(参考情報)


 

【くらしとごはんリクル】事業報告


事業設立背景として、出荷のタイミングや作物の形状によって規格外になってしまう果物が多く生まれている現状がありました。
また、親しんだ西条市というまちのはちみつを発信したいという想いから、それらを使ったジャムの製造販売を決意しました。


事業実施の目的を以下の三点にし、
・ジャムを通して西条市のPR
・農家さんの販売促進
・西条市での雇用創出

成果目標を以下4点に設定しました。
①開発したジャムを300個製造し販売を開始する
②2名の新規雇用をする
③お店に来る方を対象に試食品の提供とアンケートを実施し、結果を開発に活かす
④取組や自らの想いを伝える機会として、地域でのイベントへの出展を5回行う

 

①開発したジャムを300個製造し販売を開始する

西条市で採れる果物と丹原産のはちみつを使用したジャムです。
結婚式の引き出物としても利用していただきました。


 

②2名の新規雇用をする

3名の新規雇用を確保し、メニュー開発や店内の営業に参加してもらいました。
スタッフが増えたことで、賑やかな雰囲気になりました。
また、店舗の運営を任せることができたおかげで、フードショーの参加や出張研修、東京でのテストマーケティングなどを実施することができました。


 

③お店に来る方を対象に試食品の提供とアンケートを実施し、結果を開発に活かす

当初は来店されたお客さんを対象に、アンケートの実施を考えていました。
しかし、来店された方はそもそもお店に対して好印象を持っていることが多いと感じたため、より客観的でフラットな目で評価していただけるよう、東京でのテストマーケティングへ切り替えました。


新丸ビル 日本の御馳走 えん

アンケートを実施し、はちみつ使用による高価格は購買意欲を減少させるのではないかと懸念していましたが、「思いをよく伝えること」や「はちみつを使用していることを強く伝える」などのアドバイスをいただきました。
また「愛媛県の柑橘系イメージから新しいイメージが定着した」などのポジティブなメッセージをいただくことができました。

 

④取組や自らの想いを伝える機会として、地域でのイベントへの出展を5回行う

計6つの地域イベントに出店し、ジャムのPRや地域での繋がりづくりに努めました。
地元の高校生と連携して行ったかき氷の提供では、かき氷コンテストで優勝することができました。
そこから、新しいアイディアの創造や、新たな生産者さんから果物提供の申し入れなどをいただけました。

地域に根ざした商品や、地域共同での成長を考える機会を得ました。
また、商品を持ち帰る袋を新聞紙で作成することで、地域や環境のことを考えながら地域とのつながりを創造することを実践しました。
現在は、環境配慮の面でどのように展開していくか、地域の知られざる良いものをつなげていく展開などを考えています。

 

近況報告、新型コロナウイルスの影響を受けて

新たな取組みとして、前述の新聞バッグづくりを行っています。
くらしとごはんリクルのスタッフや地域の婦人会、デザイナーを交えて新聞バッグを作る会を行いました。
お店の商品を入れる袋として活用を考えています。
新聞バッグづくりを通して、地域や環境のことを考えながら地域の方との交流がより増えました。


また、新型コロナウイルスの影響を受け、客足が遠のき厳しい状態が続きました。
しかし、テイクアウトを開始し、多くの人からの応援をいただき事業を継続できています。

予定していたマーマレードアワード(愛媛県八幡浜市での第2回ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会)が中止となり、出品できなかったことが残念でしたが、来年に向けてジャムを改良して、再挑戦したいと思っています。
閉店期間中は、床の色の塗り替えやレイアウトの変更を行い、店内を新しい雰囲気へと変化させました。
また6月1日から座席数を減らし、お店を再開しています。


 

質疑応答

説明会では、ご参加いただいた方々から以下のご質問をいただきました。

Q.ジャムの販売価格はいくらですか? 

原価計算を行っており、700円+税で設定しています。
マーマレードにハーブやスパイスを入れたものを開発中で、それは900円+税としています。

もともとは手に取りやすい500円で販売していましたが、商品価値を落とさないことを考えて、適正価格700円に設定しました。
 
Q.この事業に採択されたことで逆に大変だったことはありますか?
 
スケジューリングが大変でした。
商品開発をスタートするところから始め、パッケージ制作や、商品の締め切り日が迫っていたことになどから、タイトなスケジュールをこなしていました。
その中で、店舗を営業し、事業を進めていくことが大変でした。
しかし、しっかりやり遂げたいという目的意識を持って取り組めました。

 
また、アンケート実施も大変でした。
もともとは来店客を対象にしていたが、厳しい意見をもらえないと感じ、東京でのテストマーケティングに参加しました。
自分たちが本当に良い製品を作るためには、厳しい意見をもらうことが大事だと考えたからです。
その意見を実際にパッケージなどに活かすことができたので良かったです。
 
Q.どこで購入できますか?
 
リクルの店舗で販売しています。
実はジャムのラベルも変更し、果物がしっかりと見ることができるシンプルなデザインラベルになりました。
 
Q.ジャムの今後の展開はどうですか?
 
新型コロナウイルスの影響により、ジャムの展開に影響が出ています。
そのため、EC販売へのシフトチェンジも視野に入れています。
また動画配信も考えており、スタッフと共同で取り組むジャムの製作について、自社のSNSなどで発信していきたいと思っています。
自分たちの世界観をしっかり伝えていけるような動画を発信し、宣伝していきたいです。
 
Q.周ちゃん広場へのお弁当販売も開始し、今後店内飲食とジャム製造と並行して事業展開していかれると思いますが、生産における人手や労力コストは大丈夫ですか?
 
新型コロナウイルスの影響もあり、周ちゃん広場にてお弁当やカレーライスの販売を行っていました。
しかし、そこでのお弁当販売拡大が困難であったので、現在は出店していません。
再構築の時期として、かき氷展開などを考えています。
カフェタイムは閉めているので、現段階では両立できています。
 
Q.SIBという仕組みがなくてもジャムづくりには取り組まれていましたか?
 
ジャム作りは取り組んでいたと思います。
ですがその取り組み方が、自分たちだけのものになっていたと思います。
SIBとして実施することによって、「地域にとって」の意味を考えることができ、自分たちでただ単にジャムを作るだけではなく、地域の活性化を意識して事業を行うことができました。
また次世代の高校生たちと繋がり、自分たちがしている事業に対して、もっと向き合いながら仕事していこうという気持ちなれました。
 
Q.ジャムの日持ちはどれぐらいでしょうか?

6ヶ月です。
 
Q.情報の発信はどのようにしていますか?
 
自社のSNSとして、InstagramやFacebookを使用しています。
ホームページをもありますが、最新情報はInstagramやFacebookに投稿しています。

【くらしとごはん リクル Facebookページ】
【くらしとごはん リクル Instagramページ】



 

交流会にて

くらしとごはん リクルさんと参加者の方とで交流会を行いました。

この報告会を通じて以下のようなご意見をいただきました。
・地元愛を感じられた、とても良い報告会だった。
・自身が持つ新しい目標に気づくことができた。
・くらしとごはん リクルさんの取組みは、地域のものというより人を活かす取組みだと感じた。
・事業は違えど、「相手をもてなしたい」という共通の気持ちを感じた。

また、新型コロナウイルス禍の現状を踏まえて以下のようなお話が出ました。
・最近は「分断」を感じていたが、やはりこれからは「人をどう繋ぐのか」ということが大事になってくると感じた。
・くらしとごはんリクルさんの活動は、購入で繋がるという新しいあり方を提供していると感じた。
・「意識の変容」が大事だと感じた。くらしとごはんリクルさんは「規格外」のものを使用しているが、使用している身にとっては「規格内」である。

   

説明会・交流会を終えて

西条市版SIBオンライン成果報告会では、くらしとごはんリクルさんに興味・関心を寄せていただいた方々にご参加いただきました。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました!

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