プロジェクトアセットニュース

2021年3月24日、西条市版SIBの成果報告会を開催しました。
2020年度は、「たぬき本舗株式会社」、「ネイティブキッチン」、「Ville natale(ヴィルナタール)」の3事業者がプロジェクトに取り組みました。
当日は、会場とオンラインの同時開催を行い、計30名以上の方にご参加いただきました。
取組内容や今後への想いなど事業者のチャレンジについてお話を聞いていただき、ご参加の皆さんと温かい気持ちをやり取りする前向きな報告会となりました。
 
西条市ホームページ「令和2年度 西条市版SIBつながり広がるチャレンジ応援事業成果報告会を開催しました
 
本レポートでは、その様子をご紹介します。
はじめに、西条市市民生活部地域振興課の曽我部部長よりご挨拶をいただきました。
 

<曽我部部長よりご挨拶(抜粋)>
西条市版SIBは、周辺住民等の応援が事業者の成功を促すと考えています。
各地でもSDGsが注目されていますが、「共有・共感・応援・自分ごと」といった点を重点に取組むことが大事だと感じています。
地域住民の課題解決を、自らが応援する仕組みとして今後も様々な意見を取りいれていきます。
本日の報告会が事業者の次のステップとなることを期待しています。

 
次に、西条市市民生活部地域振興課の安永さんより事業の説明をしていただきました。

 

西条市が既存の補助金にSIBを導入した理由として、以下の2つの課題があります。
①歳入は増加しているが自主財源と依存財源が逆転していること。
②また合併後特例措置も令和元年度で終了される中、既存社会保障に関する経費が増加傾向にあり、それが全国的に問題となっていること。
 
上記の課題を改善するためには、「① 費用対効果の検証、②住民の主体的参加」が重要になります。
その解決策として、西条市ではSIBを通して地域の資金循環の仕組みづくりを行い、ローカルファンドを構築する構想があります。
 
ローカルファンドでコミュニティビジネスを支える構想を実現するべく、今後も定期的に市役所主催で会議していく予定です。
 
また、SIBは行政と民間の閉じられた関係を開くものであり、住民の応援があって初めて成り立つ事業と考えています。
これまでの2年間で7つと事業を実施、202名の出資者に応援をいただき、支援の輪は広がっています。
2020年度は、事業のテーマをSDGsに設定しました。
注目が増すSDGsは大企業だけのものではなく、住民一人ひとりが取り組むものだと考えています。
共感の輪を広めるSIBとも親和性が強く、さらに展開が期待できます。

 
2020年度の3事業者のプロジェクトの成果達成結果を以下よりご報告します。
 

【西条市SIB たぬきまんじゅう販路拡大プロジェクト】について

たぬきまんじゅうの森達正さんよりプロジェクトの成果についてご報告いただきました。
【西条市SIB たぬきまんじゅう販路拡大プロジェクト】
 

 

プロジェクトの内容・成果達成について

多様化する食文化、グローバル化による生活の多様化。
また大きい変化高齢化と後継者不足によって、消えゆく和菓子店、失われていく故郷の味。それらを始め、企業利益に止まらない元気な西条を発信すべく、多くの市民の参加と協力、世代を超えた取り組みとして「市民参加型のCMづくり」を実施しました。
このプロジェクトでは、挑戦する起業人に刺激を与え、事業承継の重要性を確認し、地域間競争に打ち勝つ町づくりを促進することを目指しています。
 
<森さんコメント>
SDGsの目標について、当初は漠然と感じていましたが、事業を進める中で自分ごととして理解できました。SIB取組自体が地域の財産であるとも感じました。
事業を進める中でコロナの影響はプロジェクト構想時の想定より、影響が大きかったですが、のどじまんをオンラインコンテストへ変更するなどで対応することができました。

 
たぬきまんじゅうにまつわる地域の人々の想いの結集:懐かしのCMソングを市民参加型で制作(復活)し、YouTube配信とラジオCM放送を開始する
 
高校吹奏楽部、コーラス部社会人バンド、ダンススクール、ピアノ教室、保育園児などによる演奏やダンスの動画の撮影をして、YouTube配信とラジオCM放送を行いました。
市民170名10団体の参加による演奏動画をYouTubeで発信したところ、大きな反響がありました。
最終的には1万5千回の再生回数があり、新規取引先の拡大につながりました。
遠方の長野、北海道などからも四国フェアなどでの取り扱いの打診があったことは大きな成果です。
 
※たぬきまんじゅうチャンネルはこちらからご覧いただけます。
 
地域の銘菓・たぬきまんじゅうの継承:愛媛県南予地域を中心とした販路拡大(契約店舗数10店舗)
 
愛媛県南予地域を中心とした販路拡大を掲げ、プロジェクトスタートから県内24店舗、県外2代理店(契約店舗数10店舗)の取引先の拡大が図られました。
 
たぬきまんじゅうの背景・「喜左衛門狸伝説」の民話伝承:
地域メディアと連携した、喜左衛門狸伝説の民話伝承を伝えるための取組みの実施(1媒体)
 
情報誌「ここまち11月号」と「ホージャ12月号」に掲載していただきました。
地域メディアと連携し喜左衛門狸伝説の民話伝承を伝えるための取組みや、たぬき伝説、西条市版SIBの告知を掲載していただきました。

 

生み出した効果・今後の活動について

西条市版SIBへの取り組みが話題となり、販路拡大面においても目標を大きく上回る実績を残すことができました。
本事業への取り組みがラジオやテレビの取材を受け、放映されることにより大きいCM効果があったと思われます。
本事業を通じての企業信用度の上昇は、目を見張るものがあり、新規事業への展開に発展する可能性が増しました。
 
プロジェクト終了後から3~5年以内の活動予定として
・たぬきまんじゅうのCMソングをYouTubeやSNS、ラジオ、CMで発信を継続
・テレビCMも検討したいと考えています。
・たぬきまんじゅうは、来年発売から90年を迎えることから、着ぐるみを作成。各地のイベント参加を始め精力的に販路拡大に努めたいと考えています。
・たぬき伝説を街づくり・町おこしに掲げる全国の地域、自治体に呼びかけ、「たぬき伝説サミット」を企画したいと考えています。
 

【西条市SIB 「西条ジビエ」スタートアッププロジェクト】について

ネイティブキッチンの鈴木 寛顕さんよりプロジェクトの成果についてご報告いただきました。
【西条市SIB 「西条ジビエ」スタートアッププロジェクト】
 

 

プロジェクトの内容・成果達成について

このプロジェクトでは、めざす将来の姿として、川上から川下までつながる暮らしを描いています。
現状として、イノシシ・シカの生息分布域が拡大によって、農林業や私たちの暮らしへの影響が出ていること。また、食肉への加工率が低いこと。十分に猟ができていないことや、ジビエへのマイナスイメージがあります。
こうした西条市の抱える害獣の問題を解決するとともに、キッチンカーでの飲食販売業の立場から良質なジビエを提供し、「ジビエ=美味しい」とイメージを変えます。
そして、ジビエへの心理的抵抗をなくすため、多くの人が食べやすいジビエソーセージを開発することにより、ジビエを好きになるきっかけを作り、牛、豚、鳥のように普通に流通するよう、ジビエをビジネス化させます。

 
ジビエイメージ向上:西条市産のジビエのソーセージを開発・販売し、商品を食べた人100名以上からアンケートを取る
 
西条市産のジビエを食べた人100名以上からアンケートを取りました。
 
ジビエを本格ビジネス化するための学習・研究として、Nook’s Kitchenの西村直子さんが講師のジビエビジネスアカデミーに参加しました。
このジビエアカデミーに参加したことで、実践的な講義を通して品質が向上し、良い結果につながりました。
 
「西条ジビエソーセージ」の開発・販売を開始し、現在、「いとまちマルシェ」の冷凍コーナーにジビエソーセージを出品しています。
イベントに参加した親子から「子供はハンバーグは食べないですが、ジビエは食べることができました。」という感想をもらったことが印象的でした。
 
情報発信と認知度向上:ネイティブキッチンのInstagramのフォロワー800人に増加させる(申請時:約400人)
 
ネイティブキッチンのInstagramのフォロワー数は、約400人から令和3年1月30日時点で1,044人までに増やすことができました。
他には、ローカル版、全国版のメディアに多数掲載されました。
 
※ネイティブキッチンのInstagramはこちらからご覧いただけます。
 
地域内ネットワーク形成:豊かな里山づくりを目指す団体との協働によるイベントを開催し、30名以上の参加と協働パートナーのリストを作成する
 
豊かな里山づくりを目指す団体「石鎚ふれあいの里」との協働で親子対象イベントを2回開催。計34名の参加と13名の協働パートナーのリストを作成しました。
 
事業を進める中で出資者の一人とつながり、成果報告会の会場に猟師や米栽培を行っている方に参加いただいきました。
兼業猟師、農業関係者の貴重な意見をいただきました。
SIBをと通してできたつながりで、今後も様々な取り組みができると感じています。

 

生み出した効果・今後の活動について

幅広い世代が、ジビエを通じて、暮らしや自然との共生を考えるきっかけが生まれました。また地域内ネットワークの形成、情報発信によりネイティブキッチンの認知度が向上しました。
 
今後の活動予定としては、多くの人がジビエを身近に感じ、美味しく食べられる環境づくりを行います。
啓発や情報発信、事業の継続協働パートナーを中心とした地域のネットワークにより、ジビエの食肉処理加工施設の設立を目指していきます。
そして、ジビエのブランド化による地域活性化を目指したいと思います。
 

【西条市SIB 「フレンチで地域の魅力をつなぐプロジェクト」】について

Ville nataleの上甲 裕樹さんよりプロジェクトの成果についてご報告いただきました。
【西条市SIB 「フレンチで地域の魅力をつなぐプロジェクト」】
 

 

プロジェクトの内容・成果達成について

「住みたい田舎」から、「住んで良かった田舎」と、実感が伴う地域にしたいと考えています。 
Ville natale(ヴィルナタール)という店名には、「ふるさと」という意味があり、ここで暮らす子ども達がこのまちを将来ふるさととして自慢したくなる、帰ってきたくなるまちにしたいという想いを込めています。
 国内外の各地で生活を体験した私達は、若い時に外に出て、外の土地での空気感や匂いなど様々な体験を経て、ふるさとに戻ってくることが大切だと感じています。
最新のランキングでも、西条市は住みたい田舎ランキング一位を取りましたが、SIBのような取り組みを続けていかないと維持はできないと思っています。
西条市を、そんな「帰りたくなるふるさと」にしていきたいです。
 
レストランの立場から見た西条市は、季節の野菜、フルーツ、魚介類が大変豊富で美味しいです。
しかしそのことを移住するまで知りませんでした。
地域の魅力はまだまだ十分に発信ができておらず、もったいないと感じています。
自分達の活動で地域の魅力を発信できたらと考えています。

 
生産者とのネットワーク形成:生産者の方を交えた試食・交流会を2回開催する
 
コロナの影響もあり実施方法に工夫が必要でしたが、生産者を交えた試食・交流会を2回開催することができました。
女性農業者グループ「たべとうみん」と連携し、フレンチフルコースの試食・交流会を行いました。
また、有機農業・自給自足的生活をされる「ちろりん農園」西川ご夫妻をゲストに迎えた「フレンチ試食会&オーガニックおはなし会」開催をしました。
 
生産者の顔が見えるメニューの提供:10名以上の生産者とのネットワークをつくり、西条市ならではの原材料を使った新メニュー開発と生産者の名前を入れた提供の開始
 
10名以上の生産者とのネットワークを作り、西条市ならではの原材料を使った新メニュー開発と生産者の名前を入れた提供を開始しました。
株式会社PENTA FARMが、2018年度西条市版SIBで開発した西条産果物のシロップの取り扱いを行いました。
ドリンクメニューとして「瀬戸内レモン」 と「愛媛みかん」のソーダ割りを提供しています。
観光農園のパンフレットの設置をし、お客様に丹原間での果物狩りといった周遊ルートも提案中です。
 
生産者の声で、「手間暇かけられて作った食材は子どものよう。料理されることでよい服を着せてもらっているようなもの。」といった嬉しい声がありました。
 
食育・地域への愛着度向上:子ども達の【食、職、地域】への気持ちを向上させるための「収穫体験・実食」イベントを2回開催とSNS等での発信
 
子供たちの「食・職・地域」への気持ちを向上させるための「収穫体験・実食」イベントを2回開催し、SNS等で発信しました。
 
(1)
丹原高校生が育てた農産物を使った試食・交流会を行いました。
丹原高校の高校生が愛情を注いで栽培した野菜を料理に使用し、交流を持てたことはとても良かったです。
丁寧に育てたことなど、目に見えない価値を知ってもらうことは、新たな付加価値になります。
また、丹原高校の卒業生が、体験を通して成長し地域へ還元していくことも期待できます。
 
(2)
農業者グループ「たべとうみん」との親子里芋収穫体験・試食会を実施しました。
当イベントの次回開催への希望もたくさん頂いています。
事業を通してSDGsとの関連を身近なものとして捉えることができました。

 

生み出した効果・今後の活動について

高校生や小学生対象の活動(食育)を通じて
就職や学業で、一度は市外に出て行く人が多い状況ですが、将来また西条に帰ってきて、「あの時の体験が転機」と振り返ってもらえるような体験を提供できたと感じています。
 
地元生産者とのつながりと魅力の発信を通じて
「たべとうみん」、「ちろりん農園」、「PENTA FARM」、「鎌田農園」、「ロハス企業組合」等とつながることができました。
どの方も、地域や農業に対して熱く真摯に取り組まれていて、消費者や地域全体へ魅力や価値を伝える第一歩となりました。 
イベントの参加者やお客様には、地域食材の素晴らしさを五感で感じ、その魅力を味わっていただきました。
 
生産者側からの動き
様々な方が想いを持ち、地域の農業を持続させていこうとしています。
今まさに様々なマッチングが生まれています。
 
今後も引き続き、地域の食材を使用したメニューを提供し、食の豊かな西条をPRしていきたいです。
SNS等の情報発信や、店外・店内イベントの実施などにより、Ville nataleファンを着実に増やし、私たちの世界観を知ってもらって広げていきたいです。
また、今回のプロジェクトを通じて出会った生産者の方々との縁を今後も大切にし、連携した食育イベントの開催など出来ることを探っていきます。
また、私たち自身も西条での暮らしそのものを楽しみながら、地域に新しい風を吹き込んでいきたいと考えています。
そしてまた新しい人たちがやって来るような、素晴らしい連鎖の輪の一つとなっていきたいです。

 

成果報告会を振り返って

報告会では、地域の方々のご協力を得ながら、各プロジェクトの成果目標を達成されたことを、3事業者の皆さんからご報告いただきました。
また、「SIBで成果目標を達成することについて感じたことは?」という問いに対して、3事業者より以下のようなお答えがありました!
 
たぬき本舗
「目標を設定することで責任が明確になる。また社内での目標が明確になることにもなる。公にすることの効果を感じた。」
 
ネイティブキッチン
「当初、出資者が伸びなかった。一人一人いろんな人に声をかけた。苦労をして資金を集めたことで、顔の見える資金になった。地域のことを自分がやっていることを自覚できた。」
 
Ville natale
「出資者等からプレッシャーを感じられたからこそ達成できた。」
 

 
また、参加者の皆さんからは、
たぬき本舗に向けて
「いつまで変わらない味のおいしいたぬきまんじゅう。さらなる販路拡大を目指して下さい。」
「伝統を引き継いでくださってありがとうございます。」
「今後も地域の名産品をよろしくお願いします。」
「是非サミット開催して下さい。西条市を全国に知ってもらうチャンスになりそうです。」
 
Ville nataleに向けて
「地産地消により、引き続き地元の生産者さんや西条市を盛り上げてください。」
「高校生たちのワクワクした様子が、本当に地元に顔を向けたお店なんだなと嬉しくなりました。」
「多くの生産者の方々との交流をして、地域の特産物を使われて地域の良いところをたくさん引き出してすごいと思いました。」
 
ネイティブキッチンに向けて
「ジビエ料理について一段と興味が沸いた。」
「ジビエを通して命の大切さも伝えていってほしいなと思いました。」 
「私もジビエをもっと身近なものにするために周りの人にも広めていきたいと思います。」
「地域への愛着を高めることは難しいことですが、そのきっかけになったのではないかと思います。」
 
などなどのご質問やご感想もいただきました!
 
2021年度も西条市版SIBの実施を予定しています。
今後も応援の程お願いします!

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